日々の値動きをあまり気にせずに安定的に配当を受けとることができる不動産クラウドファンディングは、新しい投資手段の一つとして私自身とても注目しているサービスです。
しかし不動産クラウドファンディングはメリットばかりではなくデメリットもあります。
当然、デメリットにも目を向けなければ投資対象として正しい評価ができません。
そこで今回は不動産クラウドファンディングのデメリットとデメリットを軽減するための対策を詳しく説明します。
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目次
まとめて紹介:不動産クラウドファンディングのデメリットや弱点
投資商品である以上は元本が毀損する可能性はゼロではない
不動産クラウドファンディングは運用に失敗すれば損をするリスクが伴う投資商品です。
具体的にはどのようなリスクが存在するか、比較的メジャーなリスクを数点紹介します。
事業者の破綻リスク
不動産クラウドファンディングを運用している事業者は、多くの場合本業として不動産事業を営みながら、一事業として不動産クラウドファンディングを運用しています。
そのため、本業がうまくいかず会社が破綻する等した場合、不動産クラウドファンディングの運用にも影響が及ぶ可能性があります。
契約時の書面や事業者のホームページを確認するなどして、事業者の財務状況が問題ないかを確認するようにしましょう。
また、投資家が注意をもって財務諸表を確認したとしても、事業者が悪意を持って情報開示をしているような場合、投資家がその嘘を見抜くことは難しいケースもあります。もちろん犯罪行為ですが、可能性としてはゼロではありません。
不動産クラウドファンディングというよりは、あらゆる投資にいえる話ですが、特定の事業者やサービスへの一点集中投資は避け、分散投資を心がけましょう。
急速な不動産市況悪化リスク
過去には日本の不動産バブル崩壊、アメリカ発のリーマンショック、中国初のチャイナショックなど、多くの人が予想していない中で、突然不動産市況が悪化しました。
今後も市場が認識していない未知の事象により不動産市況が急速に悪化する可能性があります。このような事象が発生すると不動産の売却益をもとに予想利回りを組んでいるファンドでは、想定した金額で不動産が売却できず、投資元本を棄損する可能性があります。
しかしながら、不動産クラウドファンディングは途中解約に制約があるケースが一般的で、この種のリスクに投資家が打てる対策はほぼ存在しません。
そのため、投資に失敗して仮に元本がゼロになったとしても生活には影響が出ない、すぐに利用する予定のないお金を利用した投資を心がけましょう。
賃貸物件への投資の場合は、入居者の退去リスク
賃貸物件では入居者の家族構成変化、人事異動、その他にも理由もなくどこか違うところに住みたいという気分的な要因から、突然空室が発生するリスクがあります。
このリスクに対しては、ファンドを選択する際に、立地、賃料、ニーズに合った間取りかなど、退去者が出たとしてもすぐに次の賃借人が見つけられそうな物件を選んで投資しましょう。
たとえば、一般的には自分の都合で気軽に引っ越しができる単身者向け物件よりは、子供の学校や保育園の都合で簡単に引っ越しできないファミリー層物件の方が退去リスクは低いとされます。
また、当然といえば当然ですが、駅に近く生活に便利な物件は入居者が決まりやすいです。
投資を検討するときには、自分だったらこの賃料で、この物件に住みたいかな?と考えてみるとよいでしょう。
短期値上がり益を狙った運用には向いていない
不動産クラウドファンディングは、一般的に投資実行時に予想利回りが提示され、
口数ごとに決められた金額を出資、運用完了時に利回りに応じた運用益を得る仕組みです。
そのため、市場取引で値段が決まる株やREITのように、日々の値動きが存在せず、運用期間中の値上がり益を狙うことができません。
ただ、おそらく不動産クラウドファンディングに興味を持つ方は、そういった日々の値動きによる売却益よりは、継続して安定した配当に興味を持つ方が多いと思います。
コツコツと安定的に利益を増やしていけるという点ではデメリットというよりはメリットと言えるかもしれません。
もし、この記事を読んでいるあなたが、新しい投資を探していて短期間に多くの収益を上げたいと考えているのであれば、不動産クラウドファンディングではなく、値動きの良い小型株や、FX取引、仮想通貨などの方がおすすめですよ!
条件が良いファンドは人気が高く、なかなか投資できない。
人気のファンドは募集開始時刻になると、いわゆる「クリック合戦」とよばれる状況になり、なかなか申し込めません。
ひどいファンドになると、先着順で開始後1分で募集終了…となることもあります。パソコンの前での待機必須です。
抽選式でも募集金額に対する応募金額の割合が1000%に達することもしばしばです。
不動産クラウドファンディングがもっと一般的になって事業者がもっと増えてくれば状況は変わってくると思うのですが、現状では気になるファンドがあっても実際に投資ができるかどうかは別問題という状況です。
そのため、一つの事業者にこだわるよりは、複数の事業者に登録して、希望に沿ったファンドに「数うちゃあたる」の精神で申し込むのがよい策だと思います。
私も数多くの不動産クラウドファンディングに登録をしましたが、今のところ個別の営業電話がかかってきたりといった面倒な事象には遭遇していません。(電話をかけて営業をするほどの客ではないという判断なのかもしれませんが…。)
あまり多くの事業者に申し込むのは嫌だという方は、各クラウドファンディング事業者のホームページを比較して、継続して希望に沿ったファンドをリリースできているかを確認して申し込みをするとよいでしょう。
この「継続して」という部分、意外と難しいようです。
REITと比べるとリスク分散が不十分
不動産クラウドファンディングでは投資対象となる不動産は、一つもしくは数個程度です。同じく不動産を取り扱う投資商品であるREITが数十~数百個もの不動産をまとめて運用していることを考えると、分散度合いは少ないです。
一方で、投資対象となる不動産が限定されている分、特色のある投資ファンドを組成できるともいえるので、この点はメリットともデメリットとも言えるでしょう。
まとめ
今回は不動産クラウドファンディングのデメリットと投資家が取れる対策について説明しました。
不動産クラウドファンディングメリットだけでなくデメリットも考慮したうえで、投資対象として興味を持ってもらえると幸いです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。