今回は不動産クラウドファンディングについて紹介します。
不動産クラウドファンディングとは、簡単に言えばインターネット上で出資を集めて、
対象となる現物不動産を購入し、運用益を出資者で分け合うサービスです。
営業担当者との対面打ち合わせは一切不要、契約書面はすべてオンラインで完結できるため
手軽に不動産投資を行うことができます。
本投稿ではそんなクラウドファンディングの概要や特徴をしっかりと説明します。
目次
不動産クラウドファンディングとは?概要や特徴をまとめて紹介
不動産クラウドファンディングってどんなサービス?
不動産クラウドファンディングの仕組み
不動産クラウドファンディングでは、まず最初にサービスを提供する事業者がインターネット上で出資を募集します。
そして、その集まったお金を原資として投資対象となる不動産を購入し運用します。
投資家は出資後は基本的に何もする必要がなく、不動産の管理や売却手続きはすべてサービス提供事業者が行ってくれます。
2017年に不動産特定共同事業法が改正され、契約時の書面交付がすべてオンラインで完結できるようになり、現在進行形でどんどんと新しいサービスが生まれている新しいカテゴリーの投資サービスです。
他の投資手法と同様に、原則として元本保証はありません。
しかしながら、後述する優先劣後出資スキームやサブリースなど、投資家のリスクを軽減する仕組みが組み込まれています。
どうやって収益を得るのか?
収益を得る方法は、大きく3種類に分けられます。
キャピタルゲイン型
投資対象となる不動産を購入時よりも高く売却することで得られる売却益を配当原資とする方式です。
不動産市況によっては期待していた売却益が得られないこともあり、比較的ハイリスクです。
こういったリスクに対応するために、優先劣後方式とよばれる方式を採用している場合があります。
この方式では不動産価値が下がった場合に、まず一義的に損失リスクを負う「劣後出資」部分をサービス提供事業者が負担し、ある一定レベルまでの損失に対しては一般の出資者が不利益を被らない仕組みです。
投資するファンドや事業者によって、優先出資・劣後出資の割合は異なっていますが、5%~20%程度が一般的です。
インカムゲイン型
投資対象となる不動産を貸し出すことで得られる家賃収入を配当原資とする方式です。
リスクとしては賃借人が退去してしまうと当然家賃を得ることができません。
そのため、投資時には空室リスクを事業者が一定条件で負うサブリース契約の有無や、賃貸借契約の残存期間が投資期間分残っているかなど、想定される投資リスクを軽減できる策がどれだけ取られれているかを契約前に交付される書面でチェックをしておきたいです。
キャピタルゲイン型とインカムゲイン型はどちらか片方の場合もあれば、両方を組み合わせた投資スキームの場合もあります。
傾向的にはキャピタルゲイン型よりもインカムゲイン型の方が、想定利回りは低めの傾向です。
貸し付け型
インカムゲイン型、キャピタルゲイン型が、クラウドファンディングを組成する事業者自体が投資を行い収益を得るのに対して、貸し付け型ではクラウドファンディングを組成する事業者が、他事業者に対して貸付を実行し対価として利息を得ます。
事業の成否にかかわらず利息を得ることができる一方で、貸付先が倒産するなどした場合には貸し倒れが発生する可能性があります。
まずは貸付対象となる事業者に対する財務状況の開示が正確に行われているかを確認しましょう。
さらに、この貸し付け型では貸付条件として価値のある不動産担保をしっかりととれているかがポイントです。注意点としては担保を取っているからOKではなく、担保に対する抵当権の順番(当然1番がのぞましい)や、担保価値をどのように判定したかまでの根拠も情報開示されているか確認しましょう。自社だけでなく第三者による評価を行っている事業者も存在します。
運用対象となる不動産の種類
対象となる不動産の種類は、住居用不動産、商業不動産、ホテル、リゾートなど様々です。何も建築されていない状態の土地に対する投資案件もあります。
不動産クラウドファンディングサービスを行う事業者は、本業として不動産業を営んでいることが多く、本業の仕入れ力を活かした特色のある不動産を運用対象として提供しています。担保価値のある不動産や高い利回りを提供することができるかが各サービス事業者選択のポイントです。
また、対象となる不動産の築年も、新築の一棟マンションの場合もあれば、築数十年にもなるマンションの一室が運用対象であることあり様々です。
さらに東京を対象とする不動産だけでなく、名古屋、関西、福岡、札幌と全国様々です。
このように、様々な条件の中から自身が魅力を感じる投資対象を見つけて投資することが不動産クラウドファンディングの醍醐味です。
現物不動産投資との違いは
少額から投資できる
一般的に現物不動産投資は数百万円から数千万円の投資資金が必要です。一般的なサラリーマン投資家には用意が難しい金額ですね。
一方で、不動産クラウドファンディングであれば、多くのサービスにおいて最低1万円から投資できます。そのためお小遣いから少しづつ投資を行うことも容易です。
投資リスクを分散させやすい
前述の通り不動産クラウドファンディングは最低1万円から投資できるため、少額投資であっても投資の基本である複数案件への分散投資が可能です。
不動産投資は不動産自体が有する性質上、地震・津波・洪水といった自然災害に対して一定の投資リスクが存在します。投資対象となるエリアを分散させることでそれらを逓減させることができます。
また、住居用不動産、商業不動産、ホテルなど、投資対象となる不動産種別を分散させておくことも有効です。たとえば2021年現在、新型コロナウィルスが猛威を振るっています。飲食店などの商業不動産は比較的不調ですが、対照的に住居用不動産は絶好調です。
手間がかからない
不動産クラウドファンディングは、基本的に以下の流れで投資を行います。
- 対象となる物件を探す
- オンライン上で申し込みを行う
- 指定された口座に投資資金を振り込む(事前入金の場合もあり)
- 運用が終わるまで待つ
- 運用が終わったら指定口座に投資資金と利息・売却益などが振り込まれる
このように、出資が完了した後は、何もすることがありません。
不動産の管理、売却手続き、入居者探しといった作業はすべてサービス提供事業者が行うため、出資した後は何もすることがありません。
営業担当者と会う必要がない
これも現物不動産投資との大きな違いです。現物不動産投資であれば、何度も営業担当者と面談を重ねる必要があり、時間も労力もかかります。
不動産投資自体は気になっていたとしても、この部分が一般投資家を遠ざけている要因ではないでしょうか。その点では不動産クラウドファンディングでは営業担当者と会う必要は一切なくすべてオンラインで完結します。(稀に、サービス登録時に登録した携帯電話番号に営業電話がかかってくる場合もあるようですが、興味がなければ着信拒否で問題ないでしょう。)
また、家に書類が送られてくることもないので家族に内緒で投資を始めることができます。
多くのサービスでは口座を作るときに本人確認用の郵便物が自宅に届きます。サービスによってはスマートフォンで本人確認まで完結できるものもあり、自宅に郵便物を一切届けてほしくない人はこういったサービスを提供している事業者を選択するとよいです。
私がおすすめする不動産クラウドファンディング業者
大家どっとこむ
株式会社グローベルスが運営している住居用不動産案件がメインのサービスです。
親会社である株式会社ミライノベートは東証2部に上場しており比較的安心して出資できます。
保証会社による物件買取保証を付けたり、投資家が安心して投資できる案件を用意している印象です。
Creal(クリアル)
クリアル株式会社が運営しているサービスです。
不動産クラウドファンディングといえばココというぐらいメジャーで、2018年からサービスを行っています。
取り扱う不動産の種類が多いことが特徴で、住居用不動産、ホテル、学校と幅広い案件を出してくれます。
ASSECLI(アセクリ)
株式会社エボルゾーンが運営しているサービスです。
築年がそこそこ古いワンルームアパートの案件が多いです。ファンドによっては、自社でバリューアップ工事を行い象不動産の付加価値を高めるものも存在します。
比較的利回りが高い案件が多く、10本目の記念ファンドである「千葉県市川市#10ファンド」では、運用期間1年、想定利回りは8%という驚くほどの好条件を提示していました。
【公式】ASSECLI(アセクリ) | 1万円から始める不動産投資型クラウドファンド
COZUCHI(旧Warashibe)
2021年9月より、Warashibeから改名しました。
投資対象の不動産を割安に仕入れることができた理由などを、Webサイト上でしっかりと説明をしてくれるため、不動産業界について素人な投資家でも納得して投資ができます。
最近はリニューアル記念なのか好条件のファンドを連発しており、2021年9月に募集を行った六本木事業用地ファンドでは、運用期間が3か月と短期ではあるものの、想定利回りが20%と軽く投資家がひいてしまうほどの条件です。
条件がよすぎると逆に不安になってしまうのですが、今現在この業界の話題の中心といってもいい業者だと思います。
まとめ
本記事では不動産クラウドファンディングの概要や現物不動産投資との違いについて説明をしました。
1万円からはじめることができますので、ぜひ皆様の投資の一つに盛り込んでみてはいかがでしょうか?